About
ここでは私の生い立ちについて書かせていただきます。
生まれは東京中心部から少し離れた緑の多いエリア。
祖父母、父、母、私、妹の6人家族で、夏になればすぐに海や川にキャンプに繰り出し、冬には温泉旅行に行ったりと、月並みですが私はとっても幸せでした。
私が小学1年生のある時、母が夏の間だけ病院に『お泊まり』しに行くと聞かされました。私は大人ってそういうものなのかと、寂しさはありましたが、素直にいってらっしゃ〜いと送り出しました。
しかし、夏が終わっても帰ってこず、1ヶ月、2ヶ月と『ただいま』が延期され、そこから母の長い闘病生活が始まりました。
私は母が帰ってくることを信じていたので、今後一緒には生活出来ないことを知らされた時は本当にショックで、三日三晩泣き続けて家族を困らせたことを覚えています。
父は、母方の祖父の会社で働いていましたが、母が抜けたことにより忙しさにさらに拍車がかかり、朝から晩まで働き詰め、私と妹は祖父母との時間が増えていきました。その頃から父の仕事後、面会時間のギリギリに母の病室を訪ねるのが毎日の日課になっていました。今思うと、病院までは車で40分、父も仕事が大変だっただろうに毎日毎日3年半もの間通っていたのは本当にすごいことだと思います。
そして私が小学4年の冬、長い闘病生活の末、母は息を引き取りました。
母が脳腫瘍というガンを患っていたと知ったのは母が亡くなった後のことでした。
母が病院にいた3年間は本当に本当に辛くて、弱っていく母を見るのも母がいない家で過ごすのも憂鬱で、小学生ながら私は世界一不幸だと毎日毎日泣いていました。
母が亡くなった時はショックから1週間ほど高熱を出し、吐き続け、この世の終わりだと思ったのを覚えています。
母の病気を機に、母方の祖父と父との諍い(いさかい)が増えていたのは気づいていましたが、母が亡くなったことによりさらに拍車がかかり、父は祖父の会社を辞め、引越しをすることに決めました。
母を亡くしたばかりだというのに、大好きな祖父母とも離れることになり、色々なことが同時に起こり私は混乱していました。さらに、父は今まで以上に稼がなくてはいけなくなり、家にいる時間が減り、その頃から妹と2人だけの時間が増え、徐々に徐々に私はふてくされ、ぐれていきました。
引越しで学区も変わり、友達もおらず、中学に上がった頃から家出を繰り返し、タバコを吸い、髪を金に染め、ピアスを開け、不良少女まっしぐらでした。母のいない寂しさを埋めるための行為だったのだと今ならわかりますが、当時は何度も何度も父と対立し、時には取っ組み合いの喧嘩もしました。今思うと恥ずかしい記憶ですが、そのおかげで道を外すことなく、高校、大学と順調に進み、立派な大企業にも勤めることが出来たので、父には感謝しています。
ただ、その頃から心のどこかでもやっとした気持ちを抱えていました。
友達、彼氏、家族、温かい家に十分なお給料。月一での美容院、マツエクにネイル、最新のファッションにメイク。全て揃っているし、幸せなはずなのに何故かいつも物足りなく、幸せを感じなくなっていました。
企業に勤め始めて3年が経ったある日、ふと見たサイトにワーホリの文字が目に入ってきました。何となく惹かれるようにクリックしてみると、イギリスの文字が。よくそのサイトを見ていくと、イギリスへのワーホリには人数制限があること、さらにその抽選の倍率はとても高いことなどが書いてありました。
当時私は当たればラッキーだと思い、軽い気持ちで応募してみることにしました。
それから数週間後、いつも通りデスクワークをしていると一通のメールが。
それはイギリスワーホリの当選を知らせるメールでした。私の心拍数は一気に上昇、喜びが堪えきれず会社のトイレに駆け込みました。
会社はどうしよう。いつ辞めよう。日本を出て1人で生活?安全なの?英語は?友達は?って、もう私の頭の中ははちきれんばかりの不安と期待でいっぱいいっぱいでした。笑
しかし、当選メールが来た時点で私の心はすでに決まっており、半年後にはヒースロー空港に降り立っていました。
現在、イギリスに来て1年半が経ちましたが気づいたことが一つ。
それは、私がどれほど日本の社会にストレスを抱えて生きていたか、ということ。
知らず知らずのうちに、見栄を張り、常に他人の目を気にして生きていたようで、こっちに来てからというもの、おできが無くなったように心がスッと軽くなっていることに気付きました。
世界には何億もの人がいて、様々な文化があり、習慣があり、社会があります。そんなことに今更ながら気づき、違う景色や人、文化を見ることの楽しさに目覚めました。
今の私の目標は、自分のプライドや偏見を脱ぎ捨て、心に忠実に生きること。
ここイギリスで生活をし、旅をして、たくさんのものを見て、感じ、学びたい。
そして、そのことを残し、伝えていきたいと思いこのブログを始めました。
文章を書くことは初めてですし、まだ慣れないですがそれでも言葉として残すことに意味があると思うので、これからゆっくりと頑張っていこうと思います。
そして私の文章や経験が少しでもどなたかの参考になったり、面白いなと思ってもらえれば幸いです。
Lily